子どもたちは安心できる居場所を求めています。

令和3年度、小・中学校における長期欠席者のうち、不登校児童生徒数は244,940人(前年度196,127人)で、児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数は25.7人(前年度20.5人)。不登校児童生徒数は9年連続で増加し過去最多となりました。

この問題は本人はもちろん学校や家庭のみで解決できることではなく、社会全体の問題として考える必要があります。学校や家庭以外にも子どもたちが成長できる環境や居場所を構築していく必要があるのです。

 

私たちは、全国の不登校・引きこもり等の学校に行きづらさを感じている児童生徒を対象としたフリースクール事業を運営し、学校でも家庭でもない「第三の居場所」として、瀬戸内海の離島の環境を活かした子どもたちが安心して過ごせる居場所を提供しています。

 

フリースクールは民間の事業ですので学校法人のように国や県からの補助金はありません。持続的な事業の運営のために多くの方の理解と協力が必要ですが、現代の社会において、このような居場所(サードプレイス)が必要であると強く感じています。

 

私たちが1年間にお預かりできる子どもたちの人数は8名が限界です。しかしながら、8名の子どもたちの成長と喜びはご家族の幸せへと繋がり、ご親戚や地域の皆さんの幸せへと拡がっていくと信じています。

私たちは、子どもたちを万全の体制でお預かりするために、現在は8名のスタッフが交代で365日24時間体制で昼夜を共に過ごしております。

この事業は、子どもたちの幸せと共に、関わってくれているすべてのスタッフや地域が幸せでなければなりません。

 

子どもたちが安心して成長できる環境を維持していくために、スタッフが将来にわたり安心して働ける場所であるために、そして、活動させていただいているこの「飛島」という地域の営みがいつまでも続きますように、皆様のご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。

一般社団法人飛島学園 代表理事 堂野博之


2012年以降、不登校率が上昇し続けています。

保護者の声

2022年度離島留学に参加した保護者へのアンケートでは「子どもの成長を感じた。」と回答した方は100%となりました。

子どもが成長したと思える項目について「自信がついた。」と回答した方は100%となりました。

「人に見られたら嫌だ」と、自宅に籠り外出できなかったのが、もう思い出せません。家庭や都会では、味わえない非日常が、育海には日常であったこと。またスタッフの方が絶妙な距離感で接し本気で向き合ってくれたのが良かったです。島民の方とのふれあいも楽しかったのだと思います。もう一つの故郷のように、感じているのではないでしょうか。卒業アルバムは、育海らしさが溢れていて息子の宝物になると思いました。親が見ても、ウルウルする言葉がたくさん書かれていて今後人生で疲れた時に開いてほしいと思います。


「一人の子どもを育てるには一つの村が必要だ」ということわざがあります。1年間の留学を終え、卒業式で堂々と卒業証書を受け取る息子を目にして、私は飛島がまさに息子を育ててくれた一つの村だったのだと改めて思いました。環境を変えることを息子が求めていました。子どもたちだけの共同生活は失敗もあったでしょう。スタッフの皆様が温かく見守ってくださり、息子は大きく成長しました。春から全日制の高校で同級生との共同生活。育海の経験があるので私たちは安心しています。


中2夏から不登校で苦しい日々。息子の意志で中3から心機一転するためチャレンジ。育海で暮らし、日々穏やかになっていく表情に安堵。大自然、仲間、スタッフ、島民の皆様との生活がかけがえのない宝物になったことは「島、最高!」と満面の笑みの息子から容易に想像できた。自主的に考え行動し、周囲を思いやる心を養い、自信を育み、高校進学の道を切り拓いた。見守り共に過ごすことが大切で、認めて待つことで信じる力が生まれると教わった。逞しく成長し、嬉しく誇らしい。皆様の温かい愛情に救われました。


引きこもり、会話もままならない息子でしたが離島留学を決めて、約7か月を過ごしました。生活は、育海の皆さんや島民の方の支援があってこそ、学校では体験できないものばかりで、生きる力、自信と希望に繋がりました。卒業式にとびきりの笑顔を見せてくれたのは涙が出るほど嬉しかったです。育海の皆さんは子どもへの期待や要求が強くなりがちな親に対しても冷静に対応して下さりました。息子は本来の姿を取り戻し、逞しく成長しました。ここでのすべての経験は今後の人生の宝物です。親子とも感謝しています。


半年間の離島留学を終えて自宅へ戻ってきて、周りの人から息子の良い変化に気づいてもらい嬉しかったです。家族から見ても、以前より優しく素直になったと思います。飛島の島民の皆様が優しく受け止めて、認めてくださったのが何より息子にとって良かったのだと感じました。卒業式の日、息子に注がれる島民の皆様の愛溢れるまなざしを目の当たりにして、すごく大切にしてもらったのだなと思いました。街では、すぐに消費してしまう心のエネルギーを、育海でたっぷり充電できました。


寄付金の使い道

寄付金は、子どもたちの活動や離島留学費用の助成金として充てられます。

1.はぐくみ学習奨学金 / 受験指導、学習サポート費用助成

2.ボランティアスタッフ・子どもたちの交通費助成 

3.施設整備・フリースクール運営費等